花には「表情」があり「個性」がある。
花や緑に囲まれた生活が当たり前で、多くの人が身近なところで自然を感じて欲しい!

 

訪問先 / 有限会社長良園芸
代 表 / 取締役会長 安藤 正彦

今回の経営者訪問は、岐阜市長良にて花や植木、園芸用品などの販売をされている有限会社長良園芸 取締役会長 安藤正彦様にお話を伺いました。  

創業70余年、昔も今も変わらず花と共に
 創業は戦前、父親が花の生産を主にされ、1972年(昭和47年)に氏が30歳で法人化し、岐阜環状線の開通に伴い1995年(平成7年)に現在の地でガーデンセンターを開業して今に至っております。

花や緑は生活に必要なもの
 安藤会長が長良園芸を法人化された約40年前は住宅ブームで、一戸建てにサツキなどの盆栽や植木が流行しましたが、生活の中で花や緑を楽しむ時代ではなかったそうです。現在では花は普及しましたが、ライフスタイルの変化により、鉢花や緑は生活に特に必要ないもの、特別な時に贈るものに変化しているそうです。

しかし、安藤会長はこの風潮に警鐘を鳴らしています。鉢花や緑は決して特別なものではなく、生活の基本となる「衣・食・住」の「住」の1つであり、人間の生活に必要なものであると考えられているからです。種をまき、芽が出て、蕾がふくらんで、花が咲き、実を付けて、やがて枯れてゆく…そこに感動や癒し、変化があり、自然を感じることができるものが実は身近にある花や緑の役割であると話されます。

時代のニーズに合わせて
 ライフスタイルが時代と共に変化している中で、いかに園芸や自然に興味を持ってもらえるのだろうかと日々、考えられており、お客様への提案の1つにコンテナ(プランター)で育てられる宿根草(しゅっこんそう)を主体とした寄せ植えを勧められています。宿根草とは、冬には地上部の一部は枯れるが、地下部は休眠状態で越冬し、翌春ふたたび根茎から芽を出し、生育し開花することを繰り返す植物のことです。

これを勧められている理由として、コンテナの中で数種類の花を育てることができ、各々の花の開花時期が違ったもので植えると、1年中コンテナの中で何かしらの花が咲いているメリットがあります。

すでに咲いている花だけを見ても感動はしますが、それは一瞬で終わってしまいます。しかし、自分で育てて咲いた花ではより一層の感動を与えられるものであるし、同じ花でも次の年に咲く花は、また違った色や形があり、人間と同様に花にも表情や個性があることを知ることができ、それがまさしく自然の醍醐味であると考えられているからです。

長良園芸としての取り組み
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人でも多くの方が花に興味を持ってもらい、長く花を愛して欲しいという思いから、花や植物の基本的な知識から、水やりの仕方や適切な肥料の与え方などの育て方まで、親身になって話をしていくことによって、長良園芸のファンを増やされています。

法人会活動への貢献
当会報誌の「篝火」には毎号、表紙の花の写真と解説を無償でご提供くださり、また、支部活動においては、長良支部の支部長を務められ、岐阜北法人会に多大な貢献をされています。表紙の花の写真はご自身で撮影されています。

 

 

 

 

 

花や緑がある生活が当たり前な世界になるように
1人でも多くの方へ花や自然の良さに触れてもらうため、寄せ植え教室を店舗ではもちろんのこと、時には小学校や公民館などに出向いて子どもたちや市民の方々にボランティアで行われたり、花の表情が感じられるようにオリジナルで作られた花の写真カレンダーを無料で配布されています。

花や緑がある生活が当たり前な世界になるように、とのご自身の想いを多くの方へ伝えるために日々ご尽力されています。

<会社DATA>
有限会社長良園芸
岐阜市長良堀田903
TEL 058-231-6050
定休日 第1・第3火曜日
営業時間 9:00~19:00
http://www.nagaraengei.com

(撮影:青年部会 副部会長 清水 茂雄)

 

 

 

 

  

編集後記
園芸業界の現状の1つに、咲いている花だけの“綺麗さ”や“豪華さ”、あるいは青いバラや青いカーネーションのように“奇抜さ”や“珍しさ”ばかりを追求してしまった結果、花や植物が自然界に存在する「生き物」であるという根本的な部分が忘れ去られてしまったと話される安藤会長から、自然や人間の基礎である「生命の大切さ」を忘れてはならないということを改めて学ぶことができました。
安藤会長には社業や法人会長良支部長の活動などのご多忙の中、快く取材を引き受けていただき、ありがとうございました。